クロードコード実践コミュニティの大川泰史です。
今回、Claude Opus 5.5を使って、素材から解説動画を作る「動画スライドアプリ」を試作しました。
テーマとして選んだのは、オリゴ糖の一種であるケストースの解説です。文章や画像などの素材をアプリへ入れると、手書きの図や文字が順番に現れる、ホワイトボードアニメーション風の動画を作れるようにしました。
音声の読み上げには、Gemini 3.8のTTS(Text-to-Speech)を使用しています。
素材を入れると、解説動画になる
これまで解説動画を作るには、まず構成を考え、ナレーションを収録し、画像や図を用意して、動画編集ソフト上でタイミングを調整する必要がありました。
テロップの表示時間や画像の切り替え、アニメーションなどを一つずつ設定していくと、短い動画でも多くの時間がかかります。
今回作ったアプリでは、もとになる文章や画像を用意し、Claude Opus 5.5に動画の構成や動きを作らせています。そこへGemini 3.8のTTSで生成した音声を組み合わせることで、素材から一つの解説動画を作れる形にしました。
人が最初からすべてを編集するのではなく、AIが作ったものを確認し、必要な部分だけを直していく方法です。

動画編集も「プログラムで作る」時代へ
今回感じたのは、動画編集が専用ソフトの中だけで行われるものではなくなってきたことです。
Claude Opus 5.5は、指示に合わせてWebページやアニメーションをプログラムとして作れます。文章、画像、音声、表示時間などを組み合わせれば、ブラウザ上で動く動画スライドを構築できます。
これまでの動画編集では、タイムライン上に映像や音声を並べていました。
これからは「この文章を表示する」「このタイミングで図を動かす」「音声に合わせて次の場面へ進む」といった指示をAIに渡し、プログラムとして動画を組み立てる方法が増えていくと思います。
編集ソフトを細かく操作する能力よりも、何を伝えたいのか、どの順番で見せたいのかをAIへ伝える能力が重要になります。

ちょっとした動画編集はOpusへ移行する可能性
もちろん、映画や広告映像のような高度な作品では、今後もプロの編集技術が必要です。
一方で、商品説明、講座の補足、社内研修、SNS投稿、営業資料、ブログ内容の動画化など、日常的に必要となる短い動画は、Claude Opus 5.5のようなAIへ移行していく可能性があります。
例えば、次のような編集です。
- 不要な部分を取り除く
- テロップを追加する
- 画像や図解を差し込む
- 音声に合わせて画面を切り替える
- 簡単なアニメーションを加える
- 横長動画から縦型の短い動画を作る
こうした作業は、一定のルールに変換しやすいものです。AIがルールを理解し、素材に合わせて自動的に処理できるようになれば、人が編集画面へ向かう時間は大きく減ります。
「この素材を使って、初心者向けの3分動画にして」と指示するだけで、構成から編集まで進むことが一般的になるかもしれません。
動画制作の費用は劇的に下がる
動画制作では、撮影費だけでなく、編集、ナレーション、テロップ、図解、修正対応などにも費用が発生します。
特に外注の場合は、依頼内容を伝え、初稿を確認し、修正点をまとめ、再度納品を待つという工程が必要です。短い動画であっても、金銭的な負担だけではなく、コミュニケーションにも時間がかかります。
Claude Opus 5.5による動画制作が進化すると、こうした費用と時間は劇的に下がると予想しています。
外注がすべてなくなるわけではありません。しかし、これまで外注していた作業のうち、日常的な編集は社内や個人で完結できるようになります。
最初のたたき台をAIが作り、重要な動画だけをプロが仕上げるという分業も増えるでしょう。外注する場合でも、構成や素材が完成した状態で依頼できるため、制作費を抑えやすくなります。

動画を作れる人ではなく、伝える内容を持つ人が強くなる
AIによって動画制作のコストが下がると、編集技術を持っていることだけでは差別化が難しくなります。
その一方で、独自の経験、専門知識、現場の事例など、伝えるべき内容を持っている人の価値は高まります。
動画制作の中心が「編集すること」から、「何を伝えるかを決めること」へ移るからです。
今回の動画スライドアプリは、まだ一つの実践例にすぎません。しかし、Claude Opus 5.5とGemini 3.8のTTSを組み合わせたことで、素材を入れれば解説動画にできる可能性が見えてきました。
今後、ちょっとした動画編集はAIに任せ、人は企画、専門知識、最終的な判断に集中するようになるでしょう。
動画制作は、一部の技術を持つ人だけのものではなくなります。個人や中小企業が必要な動画を必要なときに作れる時代が、すぐ近くまで来ているのではないでしょうか。
※本記事は、2026年10月1日のクロードコード実践コミュニティ定例会で共有した実践事例をもとに構成しています。