こんにちは、いっとんです。

保育士として働きながら、Claude CodeやCodexを使って現場が楽になる仕組みを作っています。

先日、自分で作ったツールを人に渡したところ、こんな言葉が返ってきました。

「そもそもスキルのフォルダがどこにあるのか分からないので、諦めようと思います」

ツールの中身ではなく、その手前で止まっていました。 ここから考えたことを書きます。

こんな人に向けて書きました

  • AIで作ったものを、職場の人や知り合いに使ってもらいたい
  • AIの使い方を人に教えていて、なぜか相手が続かない
  • AIに作ってもらったものを、自分でもよく分からないまま使っている

作業会で、15分でホームページができました

少し前の話からします。

オフラインの作業会で、AIの使い方をお伝えする機会がありました。そこで紹介したのが、AIと話しながら15分ほどでホームページを作る方法です。

やり方は簡単です。

「私はホームページが作りたいので、あなたが質問してください」とAIに伝えます。質問に答えていって、最後に「HTML形式で出力してください」と頼みます。

これだけで、本当に15分ほどで形になりました。

参加した方にはとても喜んでもらえて、翌日には「短時間でここまでできて嬉しかった」「もっと教えてほしい」という言葉もいただきました。

ただ、今回書きたいのはこの話ではありません。

回覧板ツールを渡したら、中身が空でした

別の日に、自分が作ったツールを見せたところ「うちでも使わせてほしい」と言ってくれた方がいました。

Claude Codeで作った、社内回覧板のツールです。すごく親しい方だったので「スキルを丸ごと渡すから、自分で入れてみたら?」と伝えました。

Claude Codeに「これをスキルにして、人に渡したい」と頼んで作ってもらい、そのまま送りました。

返ってきたのは「開いたら真っ白で、何も入っていない」という連絡でした。

これは完全にこちらのミスです。すぐにClaude Codeに直してもらいました。そのとき伝えたのは「これは人に渡すものなので、誰が開いてもすぐ使える状態にしてください」ということです。

あわせて、最初に読む説明書もHTML形式で作ってもらいました。入れた人がこれを見れば分かる、という形です。

これで大丈夫だと思っていました。

「フォルダが分からないので諦めます」

作り直したものを渡して「これをスキルのフォルダに入れれば使えます」と伝えました。

返ってきたのが、冒頭の言葉です。

「これはClaude Codeを結構触っている人じゃないと無理ですよね。そもそもスキルのフォルダがどこにあるのか分からないんです」

正直、「ちょっと待って」と思いました。

僕にとっては、スキルのフォルダに入れるのは当たり前の操作です。でも相手にとっては、そのフォルダの場所が分からない時点で、もう無理だと感じる壁になっていました。

ツールの出来がどうこう以前に、そこまでたどり着いていなかったんです。

分からないことは、AIに探させればいい

ここで伝えたかったのは、フォルダが分からないなら、自分で探さなくていいということです。

僕が同じ立場なら、もらったデータをそのままClaude Codeに渡して、こう頼みます。

「このスキルをスキルのフォルダに保存して、開いてください。このスキルを使って、社内回覧板ツールを作りたいです」

これで保存までしてくれて、そのまま作る流れに入ります。場所が覚えられないなら「デスクトップにこのフォルダのショートカットを作って」とまで頼んでしまえばいいです。

作業をするのは自分ではなく、AIです。

だから「分からない」を、そのままAIに伝えればいい。今までは、知識がなくて分からないことは「仕方ない」で終わっていました。AIがあると、そこで諦めなくていい。ここがいちばん大きな違いだと思っています。

ただ、この発想は、言われないとなかなか出てきません。説明書にこの一文を入れておけばよかった、と思いました。

作ってもらっただけでは、人に渡せない

同じ時期に、もう1つ気づいたことがあります。

いま、AIと一緒に音声を編集するツールを作っています。

これまでAudacityという無料のソフトで音楽を編集していました。僕は使えるのですが、人に勧めると、インストールの段階で止まる人や、入れても使わない人が多かったんです。ボタンの場所や操作の感覚が分かりにくいようでした。

それなら、日本語で直感的に使えるものを作ろうと思いました。完成したら、いろんな人に配るつもりです。

ここで気づいたのは、AIに作ってもらっただけでは、人に渡せないということです。

AIに頼めば、かなりのところまで作ってくれます。でも自分が仕組みを分かっていないと、問題が起きたときに困ります。なぜ動かないのか、どこを直せばいいのか、この設定は何のためにあるのか。ここが分からないと、人に説明もできません。

回覧板ツールで空のデータを渡してしまったのも、たぶん同じところから来ています。

だから最近は、作業を頼むときに次のことまで聞くようにしています。

  • これはどういう仕組みですか
  • なぜこの設定が必要なんですか
  • ここを変えると何が起きますか

AIに任せることと、丸投げすることは違います。

この話はポッドキャストでもしています。

→ いっとんのポッドキャストを聴く

設定の整理も、最後はHTMLで説明してもらいました

分かったつもりで放っておいたものが、もう1つありました。自分のAIの環境です。

僕はClaude CodeとCodexを行き来しながら使っています。Claude Codeで記事を書いて、見出し画像はCodexに作ってもらう。Claude Codeの利用上限が来たら、続きをCodexにやってもらう。そういう使い方です。

Claude Codeが同じAGENT.mdを読めるようになったと聞いて、両方が同じ設定を読めるように整えてもらいました。そのついでに、いまの状態を点検してもらいました。

すると、動いていない設定や、長すぎる文章がたくさん見つかりました。整理すると、それまでよりトークンの消費を40%くらい抑えられるようになりました。

以前、自分の使い方のログをAIに分析させて、運用ルールを作った話を書きました。

→ 「20分で終わります」と言われて、3時間かかりました

ルールを足していった結果、今度は設定が膨らんでいた、ということになります。足すだけでなく、ときどき見直すことも必要でした。

整理の途中で、分からないところも出てきました。そこで最後に「どう変わったのかを、分かりやすくHTML形式で出して」と頼みました。すごく見やすい形で説明してくれました。

自分が理解できる形で出してもらうところまでが、頼むことの一部だと思っています。

見るべきは「諦めた瞬間」と「説明できるか」

2つの出来事から、残ったのは次の2つです。

1つ目は、教える側が見るべきなのは、相手が諦めた瞬間だということです。

ホームページが作れないことが問題なのではなく、その前にファイルの置き場所が分からなくて止まっていた。これは、実際に人に教えてみないと見えませんでした。初心者の方に教えること自体が、教材を良くするための一番の調べものになるのだと思います。

2つ目は、作ったものを人に説明できるかを基準にすることです。

分かっているつもりでも、誰かに説明しようとすると「あ、ここ分かってないな」と気づきます。

これは保育の現場と同じです。保護者や同僚に子どものことを伝えようとすると、自分の中の理解も整理されます。

AIを使えば、1人では作れなかったものが作れます。でも「AIが作りました」で終わらせず、「自分でも説明できます」まで持っていく。そこまでいくと、AIをもっと安心して使えますし、人に教えることもできるようになります。

AIに任せられることは、これからも増えていきます。だからこそ、何を任せていて、どういう仕組みで動いているのかを分かっておくことが、大事になっていくと思っています。


保育の現場で起きたことや、AIを使ってみて気づいたことは、Instagramで漫画にして出しています。今回のような「つまずいた話」も描いているので、のぞいてもらえたら嬉しいです。

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