こんにちは。趣味若づくりオヤジ池田です。
北九州で、AIを使ったアプリ開発や業務効率化のお手伝い、それと営業をやっています。
OpenAIから GPT-6 Astra という新しいモデルが出たので、さっそくCodexで使ってみました。AIへの指示書の見直しをやらせていたんですが、一番いい設定で回したら、10分ほどで上限に達しました。
そのあと公式のガイドを読んだら、消費が早いのは設定のせいだけではなく、指示の書き方の問題でもあると分かりました。今日はその話です。
何をしていたか
やっていたのは、AIへの指示書の見直しです。
Codexには AGENTS.md という指示書のファイルがあって、「こういうときはこう動いてね」というルールを書いておきます。私はスキルもいくつか作っているので、それらと指示書の中身がズレていないか、まとめて点検させていました。
読み込む範囲が広く、あちこち直させる作業なので、それなりに重い仕事です。そこで設定を一番上にして回しました。
10分で上限
体感で10分ほどでした。作業が終わる前に止まりました。
私が入っているのはPlusプランです。当然といえば当然なんですが、想像していたよりずっと早かったので、正直あせりました。
公式で確認したこと
なぜこうなるのか、公式のドキュメントを見にいきました。
まず、Astraには「reasoning effort」という設定があって、low medium high xhigh max の5段階です。私が使っていたのは一番上です。ここを上げると、AIが答える前に考える量が増えます。深く考えるぶん、消費も増えます。
速度を優先するモード(Fast mode)もあります。こちらは開発者向けの料金表に、通常の2倍と書かれていました。ただしそれはAPIを直接使う場合の料金の話で、Codexの利用枠がそのまま2倍減るとは公式に書かれていません。私も今回は触っていないので、そこは分けて考えています。
ちなみに、効かなくなった設定もありました。temperature や top_p といった、これまで文章の振れ幅を調整するのに使われていた項目です。Astraでは効かないので、消してくださいと明記されています。前のモデル向けの設定をそのまま持ってくると、意味のない指定が残ることになります。
なお、Plusプランで通常のチャット画面からAstraが使えるかどうかは、順次提供の途中のようで、私が確認した時点ではCodex側で使う形でした。ここは今後変わる可能性があります。
本題は、指示の書き方
ここからが今回いちばん面白かったところです。
公式が「Using GPT-6 Astra」というガイドを出していて、Astraには前のモデルと違う癖があると、はっきり書いてあります。しかも、その癖への対処法として、指示に書くべき文言まで例示されています。
私が読んで、心当たりがあったのは3つです。
1つ目が、勝手に進めず質問してくることです。前のモデルなら黙って進めていた場面で、Astraは「これはどうしますか」と聞いてきます。丁寧といえば丁寧なんですが、往復が増えます。
公式の推奨は、指示書にこう書くことです。
行動に寄せて、ユーザーが意図した作業を完了まで持っていくこと
「やってくれる?」「手伝って」といった言い回しを、質問ではなく作業の指示として受け取れ、という書き方も示されていました。
2つ目が、途中で止まることです。これも心当たりがありました。「できます」と答えて終わる。計画を出して「進めますか?」と聞いて終わる。半分だけやって止まる。
公式はここも名指しで、こう書けと言っています。
できると認めるだけで止まるな。計画を出して止まるな。続けましょうかと申し出て止まるな。部分的な解決で満足するな
さらに「質問する前に、すでに承認されている作業は終わらせろ」という一文もありました。これが効きます。聞く前に手を動かしておけば、往復そのものが減ります。
3つ目が、リストと表を多用することです。Astraは箇条書きと表を好みます。読みやすい場面もありますが、何でも表にされると、かえって中身が薄くなります。
これも対処法が書かれていて、「基本は段落で書け。本当に並列な情報のときだけリストを使え」と指示すればいい、とのことでした。
消費の話と、つながっていた
読んでいて気づいたんですが、この2つは別々の話ではありませんでした。
Astraが質問してくる、途中で止まる。すると私が「そう、それでいい」「続けて」と返す。その1往復ごとに、また考えて答える処理が走ります。設定を一番上にしていれば、その往復ぶんも深く考えます。
つまり、指示の書き方が甘いと、無駄な往復が増えて、そのぶん枠が減るわけです。10分で上限に達した原因は、設定を上げたことだけではなく、Astra向けに指示書を書き換えていなかったことでもありました。
私は今回、ちょうどその指示書を見直すためにAstraを使っていたので、少し笑ってしまいました。直す対象そのものが、消費を早めていたことになります。
やったこと
公式に書かれていた文言を、自分の指示書に入れました。日本語に直して、普段の言い回しに寄せています。
- 途中で止まらず、頼まれた作業を完了まで持っていく
- 「できます」「進めますか」で終わらせない
- 質問する前に、すでに合意している作業は終わらせておく
- 基本は段落で書く。並列の情報のときだけ箇条書きにする
もう1つ、公式で強調されていたのが優先順位です。スキルファイルなど外部のファイルに書かれた指示に、Astraは敏感に反応するそうです。そこで「ユーザーの指示が、スキルに書かれた内容より優先される」と、はっきり書いておくことが推奨されていました。これも入れました。
Proにあげようか迷っています
正直なところ、10分で止まるとまともに使えません。上のプランに切り替えることを考えています。
ただ、今回わかったことが2つあります。設定を一番上にしていたことと、指示書がAstra向けになっていなかったことです。この2つを直さないまま料金だけ上げても、同じ速さで枠を減らすことになります。速い車に乗り換えても、遠回りしていたら着くのは遅いのと同じです。
なので順番としては、まず設定を1段下げてみる。指示書を書き換えたうえで、同じ作業をもう一度やらせてみる。それでも足りなければ上げる。今はそう考えています。
プラン別の細かい上限も調べてみたんですが、順次提供の途中という記述が多く、自分のアカウントで実際にどうなるかは触ってみないと分からない部分がありました。実際に切り替えたら、そのときにまた書きます。
まとめ
- 新しいモデルは、設定を一番上にすると想像より早く枠を使う。まず軽い設定で試してから上げた方がいい
- 前のモデル向けの設定は、そのまま持ち込むと効かないものがある。移行時に一度見直す
- 消費が早い原因は設定だけではない。指示が曖昧だと往復が増えて、そのぶん枠が減る
- 公式ガイドには癖と対処法が具体的な文言まで書かれている。新しいモデルが出たら、使う前に読んでおくと遠回りしなくて済む
- 枠が足りないとき、すぐプランを上げたくなるけれど、先に設定と指示を見直すほうが安く済むことがある