こんにちは、いっとんです。
普段は保育士として働きながら、CodexなどのAIを使ってWebサイトや仕事を楽にするツールを作っています。
AIを誰かに教えようとしたとき、こんな経験はないでしょうか。
- 自分では簡単だと思う説明が、なぜか相手に伝わらない
- どこから説明すればいいのか分からない
- 相手がつまずいても、何が分からないのか分からない
自分は今年に入ってから、AIをちゃんと学び始めました。少し前まで初心者だったはずなのに、今は周りの人とAIの話をすると、会話が噛み合わないことがあります。
そこで気づいたのが、自分では普通の言葉だと思っていても、相手にとっては専門用語になっているということでした。
この記事では、AIを覚えるほど初心者へ教えるのが難しくなった経験と、説明より先に「自分で作れた」を体験してもらう方がいいと思った理由を書きます。
AIを使えるようになったのに、周りと話が噛み合わなくなった
自分は、長年AIを研究してきた専門家ではありません。
今年に入ってからAIを学び、Codexなどを使ってWebサイトや自分用のツールを作るようになりました。分からないことはAIに質問し、実際に手を動かしながら覚えてきました。
それでも、周りの人とAIの話をすると、少しずつ目線が合わなくなっていることに気づきました。
自分が便利だと思った仕組みを説明しても、相手には伝わらない。簡単に言い直そうとしても、どの言葉から説明すればいいのか分からない。
定例会でこの話になったとき、自分は「専門用語、これも専門用語になるんや」と話しました。
自分では専門用語ではないと思っている。その状態が、いちばん難しいのだと思います。
知らない言葉なら、最初から説明できます。しかし、当たり前になった言葉は、説明が必要なこと自体に気づけません。
「定期実行」も「AIエージェント」も、相手には専門用語だった
定例会では、「定期実行」という言葉が研修先で伝わらなかった、という話も出ました。
言葉だけを見ると、定期的に実行するという意味なので、難しく感じないかもしれません。しかし、普段の仕事で使わない人にとっては、それも初めて聞く言葉です。
「AIエージェント」「データベース」「ローカル環境」なども同じです。
AIを使う人同士なら、そのまま会話を進められます。ところが、初めて使う人は、言葉を一つ理解するたびに次の専門用語が出てきます。
自分も以前、勤怠管理のシステムを作ったとき、AIから「データベースをどうするか」と聞かれました。なんとなくは分かっていても、具体的に何を選べばいいのかまでは分かりませんでした。
その状態で「Supabaseを使いましょう」と提案されても、料金や設定が気になり、難しそうだと感じます。
今なら話についていける言葉でも、最初はそこで止まっていました。
教えるときに必要なのは、言葉を簡単に言い換えることだけではありません。相手が今、どの言葉まで理解しているのかを確かめる必要があります。
詳しくなるほど、初心者がつまずく場所を忘れてしまう
AIを使い続けると、最初に困っていたことが少しずつ当たり前になります。
GitHubを見る。AIへスクリーンショットを渡す。作ったものを公開する。必要なデータを決めた場所へ保存する。
一つひとつは、最初からできたわけではありません。それでも毎日使っていると、いつの間にか「これくらいは分かるだろう」と考えてしまいます。
ここに、AIを教える難しさがあると思います。
詳しい人が機能を順番に説明しても、初心者が最初に知りたいのは、機能の名前ではないかもしれません。
「それを使ったら、自分に何ができるのか」
まず知りたいのは、こちらです。
画面にたくさん文字が流れているだけで、「自分には無理そう」と感じる人もいます。その段階で仕組みを詳しく説明しても、使ってみたい気持ちにはつながりにくいと思います。
説明する側が知識を増やすだけでは、目線の差は埋まりません。自分が初心者だったとき、何ができて感動したのかを思い出す必要があります。
3冊の教科書に共通していた「まず何か作る」という入り口
自分は、Antigravity、Claude、Codexの教科書を買いました。
3冊に共通していたのは、最初に「とにかく何か作ろう」というワークが用意されていたことです。
Antigravityの教科書では、自分用のタイマーを作りました。
すごく複雑なものではありません。それでも、自分が指示したものが動いたときは、「こんなに簡単に作れるんや」と感じました。
この感動があったから、次も作ってみようと思えました。
最初からAIエージェントの仕組みや、ファイルの構成を詳しく説明されていたら、同じ気持ちになっていたかは分かりません。
先に小さな成果物ができたから、その後の説明を「自分に関係のある話」として聞けました。
初心者向けの教材に作るワークが入っているのは、操作方法を覚えるためだけではないと思います。
「自分にもできた」という感覚を、最初に作るためです。
タイマーから始めて、自分のプロフィールサイトを公開した
小さなワークを体験したあと、自分はプロフィールサイトも作って公開しました。
最初から「Webサイト制作を勉強しよう」と考えて、専門用語を一つずつ暗記したわけではありません。
作りたいものをAIへ伝える。出てきたものを見る。違うところを伝える。その繰り返しで、形にしていきました。
この経験から、初心者向けには、少しずつ成果物を大きくしていく流れがいいと思っています。
たとえば、簡単な文字起こしツールを作る。次に自分用のタイマーを作る。その次に、自分のプロフィールサイトを作る。
どれも完成したかどうかが目で見て分かります。そして、少しだけ自分の仕事や生活に役立ちます。
重要なのは、見本と同じものを作るだけで終わらせないことです。
表示する名前を変える。時間を自分向けに調整する。好きな色にする。小さくても、自分で決めた部分が入ると「自分の成果物」になります。
専門用語は、その途中で必要になったときに説明すればいい。
先に言葉を覚えてから作るのではなく、作っている途中で必要な言葉を覚える。この順番が、自分には合っていました。
AIを教えるなら、説明より先に「できた」を体験してもらう
AIを教えるとき、こちらは正しく説明しようとします。
もちろん、安全に使うための注意や、必要な基礎知識は大切です。ただ、最初からすべて説明しようとすると、相手は作り始める前に疲れてしまいます。
自分が初心者へAIを伝えるなら、まず完成したものを見せたいと思います。
そして、すごく簡単だけれど少し役に立つものを、一緒に一つ作る。分からない言葉が出たら、その場で普段の言葉に置き換える。
完成したら、「次は何を変えたいですか」と聞く。
この流れなら、教える側が一方的に機能を説明するのではなく、相手が自分でAIを使う体験を作れます。
AIを覚えるほど、人に教えるのは難しくなります。
だからこそ、知っていることを全部伝えるのではなく、相手が最初の一歩を踏み出せるところまで小さくすることが必要です。
自分も、まだうまく教えきれないと感じています。今後は「何を説明するか」だけでなく、「最初に何を完成させてもらうか」から考えてみたいと思います。
AI初心者に必要なのは、難しい言葉をたくさん覚えることではありません。
まず一つ、自分で作ったものが動くこと。
その「できた」が、次に進む一番のきっかけになると思います。
ではまた。